主役は、今では大変貴重なウールレース。
土台のシルクオーガンジーを探して、数珠繋ぎにあちらこちらへ——
お仕立てにしかできない一着ができるまでの、私たちの奮闘記です。
2024/12/02

ヨーロッパで買い付けたウールレースから、ジャケットをオーダーメイドでお仕立てするまでの記録です。大阪の仕立て店 Couture de PEARL の、少し長い奮闘記にお付き合いください。
仕上がりまでの道のりは決して簡単なものではありませんでしたが、どうしても細部までご紹介したく…
以下、少し長くなってしまいますが、私たちの奮闘記、もしご興味があればぜひお読みください。
ご注文は2月に
ご注文をいただいたのは2月。
時間がかかっても良いから上質なものを、とお考えのお客様のオーダーのもと、製作がはじまりました。
素材を探して
まず主役となるレースは、最近では大変貴重な品となりつつあるウールレース。直接ヨーロッパを訪問し買い付けた思い入れのあるものです。
土台となったシルクオーガンジーも思い通りの質感と色味の両方を持ち合わせた生地がなかなか見つからず…
情報を集め、数珠繋ぎにあちらこちらへ足を運び、ついに理想のシルクオーガンジーに巡り会うことができました。
デザインには余分な主張は加えず、素材の素晴らしさを活かすことに専念しました。
裁断——柄合わせとの格闘
裁断パートは、ウールレースの柄合わせに苦しみながらも、裁断士さんの「必ず成功しますから」という言葉に胸を打たれ無事に裁断することができました。
仮縫い、そしてシルエットづくり
そしてシルエットづくりはお洋服作りの要。仮縫いはお客様のご協力のもと、三度行いました。一度目はトワルチェック、残りの二回は本体で仮縫いを。大変な工程でも職人さんは一針一針思いを込めて、ウールレースとシルクオーガンジーを留めてくださいました。
60年の縫製、そしてボタン
縫製はジャケット専門、その道60年のベテラン縫製士さんによる神技!婦人服オーダーならではの優しい雰囲気を残しつつも、緩みのない縫製技術は、これまでの豊富な経験を活かし生み出された圧巻の美しさです。
もちろんボタンにもこだわりを。
ラグジュアリーボタン専門のボタン屋さんにお見立ていただき、通常より小さいサイズのボタンを特別にお作りいただきました。いつもお世話になっている素敵なボタン屋さんとのファッション談義の時間は、いつも楽しいひと時です。
ボタンホールについても事前に雰囲気をお伝えし、お忙しいなか試作をしていただいた上でお願いしました。
お仕立てにしかできない服作りとは
長い長い道のりでしたが、お客様にお喜びいただき、ひと安心。こうして振り返ると本当にいい経験をさせていただいたなあ..としみじみ。
世の中にたくさんのお洋服が溢れかえっている時代に、お仕立てにしかできない服作りとは何なのか、そしてクワイエットラグジュアリーとは何なのか、いつも考えています。
私たちクチュール・ド・パールのお洋服は、お客様お一人おひとりと、携わってくださる職人さん達、そして私たち自身の「ファッションを愛する思い」を掛け合わせ、一つにすることで、はじめて唯一無二のお洋服として出来上がるのだなあ、ということを実感する機会となりました。
これからも一着一着、心を込めてお仕立てさせていただきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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